2011年7月アーカイブ

  今回は気仙沼だけではなく、陸前高田市や南三陸町にも足を延ばしました。当店にカニを送り続けていた友人がカニを獲っていた船員が小学校、中学校の同級生でしたが、今回の津波で家族を失い、家や船などを流されたと聞いていたからです。
  テレビや新聞で見る限りこの二つの町は最も被害が大きく見えましたから、とにかく、訪ねて見舞おうと思ってました。なんとかなんとかガレキの間を抜け迂回路を回って目的を果たすことができてホットしております。これらの町の中に立つと不思議な気持ちになります。隅々までは知らないけれど、大体は分かっている町のあり様ががらりと変わってしまって何から思い出して良いのか分かりません。何があったっけ?あれは?それは?  ははあ......。あれかあ!!......。これかあ?......。ええっ?......。そんなあ......!!
 古来、多くの開拓使というのがあって、例えば北海道の屯田兵、アメリカの開拓史、ブラジルをはじめとする中南米への農業移民などなど沢山あるけれど、彼らの第一歩というものは、今こんな所に立っている気分に似たようなものではなかったか? と思ったりします。
 着いて案内された所がこのような景色とは違うけれど、原生林の真っ只中であったり、栄養分のまるで無さそうな不毛の地であったりして、その時の思いは武者ぶるいどころではなく、暗たんたる思いや不安、焦燥、後悔などなど砂かむ思いであったに違いない。この両町の惨状を前にして、さあ――どうしよう、どうするか?開拓せねば......ならんかのう......? 何とも寂寞たる思いであります。これらの町々の多くの報告・分析・問題点などなどは他の多くの方々にお任せして、私は少々脱線しようと思います。
 実は、冷凍魚の話です。今回役に立たなくて残念なことでした。次回に述べることは、この正月過ぎにはブログ用にまとめてあったのですが、載せずじまいになった内容です。(つづく)


 6月12日(日)店の仕事を終えてから、夜10時過ぎに友人市原君の運転に安心を決め込んで、再び気仙沼に向かいました。先回、柏木君と行ったときは、早朝に出発しましたが、結局2人とも前の晩は眠れなかったという反省から、今回は夜の出立なのでした。

 早朝の朝もやの中に気仙沼のたたずまいを見たいと思いました。今回は先回入れなかった商港岸壁の先まで入ることが出来ました。人も車もほとんど動いていない早朝とはいえ、『時が止まったかあー?』と思えるほど、手つかずに近い状態のガレキと破壊されたまんまの工場群が広がっているばかりです。『あーああ・・・!! これじゃ無理じゃねいの? 何もかも!!』」

 6月中には鰹船を入港させて再出発の起点にしたいと関係者は意気込んでいるようだけれど、気持ちはわかるけど大丈夫かなあ――?  地盤沈下した岸壁は海水がちゃぷちゃぷゴーゴー言っているし、後背地の水産加工場群はガレキのまんまだし、まあ、あれだね。鰹やサンマの生出荷は少しづつ整っていくだろうけど、水産加工や冷凍加工は無理だね、しばらくは。

 これら経営者たちは、一体どう考えているんだろう? 再び、やる気なんだろうか? お金もかかるし、時間もかかるし、従業員達は? 資金繰りは? みんな『頑張ってえ―!! 応援しよう―!!』なんて言われたり、ちよっとした熱きものに触れると『よっしゃあ―!!やるぞ―!! やったるぞ―!!』などと自分の使命か、天命のように思えて、ついつい燃えたまま走り出すかっこ良さを選んでしまうものなんでけれども、いざとなると親戚も友人も冷たくにべもない。あんなに同情的だった関係機関や銀行も『それとこれは別ですよ』なんて、らちがあかないことになる。

 大半の水産業者はそのうちボチボチ始めるだろうけれども、中小はそうはいかない。苦難の選択を迫られる。余程の特殊な技術や製品でもない限り、大変なのだ。『天は自ら助くる者を助すく』という。天も周りも自ら頑張ろうとする人にしか手は差し延べないのだ。似たようなことを言って辞任した松本大臣もいたが、いずれにしろ、こんな時、国民は国や県やお上の足りないことをあれこれと言って非難に明け暮れするけれど、古来、お上というのはそんなもんだ。

 いくばくかの援助や補助があったならば天から降ってわいた授かりもの程度に思って、やはり、自らを制し、律し、拓し、生きねばならぬのだ。他人のおだてや口車に乗って自分を過剰評価しては身の破滅だ。臥薪嘗胆も必要だ。海だって、町だって落ち着くまでには3年や5年はかかるだろう。町の産業も人々の住まい方もずいぶんと違ってくるだろう。今あわてて必死になって復旧、復興に全力を尽くす必要はないように思う。得意なこと、好きなことに磨きをかけながら、ケ・セラセラ的な臥薪嘗胆がいいかもしれない。(つづく)

 

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